沖縄戦についての授業があったので。。。

 



米軍に捕まれば乱暴をされて殺されてしまう。そんな恐怖が国家により植え付けられていた。チビチリガマでは、米兵の「殺しはしない」という声にも応じることなく、避難民の6割が集団自殺をし、亡くなった。

逆に、同じ村のガマであるシムクガマでは、元ハワイ移民で英語話者である一人の老人がいたことから多くの命が救われた。

その当時は「自決すべきだ」との声も出たが、その老人が手ぶらで外へ出て米兵と話をした後、みなを説得した。普段は何かと日本兵にたてつく存在で、「非国民」と言われていたという。

つまり、この老人は日本政府による洗脳(洗脳の定義にもよるし、多くの国民が仕方なく参加していた点もあるので曖昧だが)を受けなかったからこそ、多くの命を助けることができたのだろう。


沖縄戦のガマの事例に代表するように、当時の敵を殺して「非国民」や、国民一人一人の命を軽んじる思想が、敗戦が濃厚になっても戦争を続け、多くの命を奪ったのだ。沖縄に住む人々が、本土の人間によって思想の変更を強制させられ、命を奪われてしまった。我々は決してこの悲惨な事実を忘れてはいけない。そして、後世に伝えなければならない。

そんな中でこの老人に代表される人々が、その思想に抵抗し、客観的に物事を俯瞰することができたのは、偶然それを形成する経験ができたからであろう。


朝日新聞2020年6月23日の朝刊より引用


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